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2.20-3.21 Question the memory

2023年2月20日~3月21日にかけて、企画展『Question the memory』を開催いたします。

二十五絃箏による演奏と、それに合わせた映像の展示です。

箏の展示はおこなわず、音だけを鑑賞いただきたいと考えています。

『Question the memory』コンセプト

『聴く』ことは「記憶」

-振動から創り上げる芸術は、自己の内部にのみ存在する-

Invisible Switch

 「音」―それは「耳」で聞いているのではなくて「記憶」で聴いているのだそうです。

 【自身の経験によって、ただの“振動”を脳で組み立てられるようになってはじめて、「音」「音楽」として『聴く』ことができるようになる。即ち『聴く』ことは、「記憶」、つまり体験によって自分の内部にのみ存在するものであり、これまでの体験に基づいた記憶次第で、聞こえている世界は異なる。】

 今回、このようなコンセプトでの展示をしたいと、よしおかりつこさんから声をかけていただきました。

 

 私は箏演奏家です。これまで、こころの奥底、それぞれの記憶、そんな「目に見えないけれど、確実に自分自身の中に、そして人の中に存在する大切なもの」をテーマにした作品作りをして参りました。

 ほんとうに人の心を揺さぶる演奏というものは、単なる音の組み合わせではなく、五感のすべてに触れるような思いや表現によって叶うものであると考え、昨今では箏の演奏にとどまらず、映像や文字、身体表現など、より広く五感全体を使って楽しんでいただくような作品を手がけています。

 

 今回1つだけ美術館は「箏」をテーマに展示をする、しかも箏本体は展示をしないとうかがいました。

記憶がふと呼び覚まされる、見えないスイッチが存在するかのように。今回の作品は、みなさまにとってそのスイッチになれるだろうか、そんなテーマで制作しました。

 箏がそこに存在しない中で、映像と箏の音で、みなさまの「琴線に触れる」ことができるのか。わたし自身、とても楽しみです。

 

 よしおかりつこさんの1つだけ美術館のコンセプト、また今回のこの素晴らしい機会に、心からの賞賛と感謝を申し上げます。

喜羽 美帆

箏  二十五絃箏 音楽制作:喜羽美帆さん プロフィール

箏・二十五絃箏・三絃奏者。

幼少よりピアノをはじめ、7歳より箏・二十五絃箏・三絃を佐藤里美氏、二代野坂操壽氏、野坂惠璃氏に師事。

生田流地唄箏曲松の実會 師範。師範名 福田操明櫻。NHK邦楽技能者育成会第42期卒業。地唄箏曲松の実会師範、(社)日本三曲協会会員、生田流協会会員。日本音楽集団団員。

世界フィギュアスケート選手権 in TOKYOオープニング演奏、MLB日本開幕戦演奏、成田山新勝寺和洋絃楽器セッション・日韓交流おまつり・朗読と邦楽器による『デーモン閣下の邦楽維新』など多くのコラボレーション演奏に出演。ヴァイオリニスト川井郁子氏との和楽器アンサンブルで、ワシントン全米桜まつり開会式演奏、ワシントンフリーア美術館での演奏等海外公演も多数行う。

各国日本大使館、現地領事館主催公演、EU大使歓迎演奏・日本スイス協会 交流記念演奏等の国際的な活動だけでなく、東京明治座におけるインバウンド公演「SAKURA Japan in the BOX」100公演でも箏生演奏及び演奏リーダーをつとめる。

協力

映像制作:古田真雄

動画や静止画の撮影、映像の編集に加え、各種デザイン制作も行う。「喜羽美帆二十五絃箏ソロリサイタル~いにしえと今をむすぶ二十五絃箏の音~」の撮影、編集を手がける。また雑誌(文章)編集家でもある。

 

ディレクター:守祐順

友人の邦楽家のイベント企画や演出から、研究機関によるシンポジウムの企画運営に至るまで幅広く活動する。また藤村真理『めでたく候』(集英社)、名取佐和子『ひねもすなむなむ』(幻冬舎)と、漫画や小説の監修も務める。

 

企画:上室屋彌平(うわむろややへい)

和楽器・日本伝統文化の普及振興、イベント・作品の企画制作を通して、その担い手の育成と事業支援を行う「和綯うスタジオ」代表。

主な企画制作に、「和楽器と日本舞踊による『ボレロ』(2021年)」「喜羽美帆二十五絃箏ソロリサイタル(2022年)」「弾く(ひく)!弾く(はじく)!弾む(弾む)!〜津軽三味線と箏によるコンサート(2022年)」「和楽器と・き・め・き!鈴鹿ドリームコンサート2022(2022年)」など。

撮影:コマーシャルフォト サン・スタジオ 広告写真家 鍋坂樹伸

映像:<PHOTO>PIXTA / photo AC <VIDEO>video AC NHK クリエイティブ・ライブラリー(0:16~1:49/2:26~2:32/2:51~3:31/7:14~7:45/8:44~9:44)


鑑賞時のお願い

館内が暗くなっています。お気を付けください。|映像によるめまいなどにご注意ください。|展示物にお手を触れないようにご注意ください。|24時間動画撮影、配信中ですのでご了承ください。|土足禁止です。靴を脱いでお入りください。|不審者・不審物を発見されたら通報をお願いします。


1つだけ美術館は、ご来館いただいたみなさまからのドネーション(寄付)によって運営されるパブリック美術館です。

なにとぞご協力をお願い申し上げます