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23.7.6-8.2 せかいのせっ展

芸術という接点で世界と触れる

遠く離れたイランで、作品を作り続けている首席の画学生、TubaとReyhane。

政治的、経済的な困難の中でも思考を止めず、芸術を愛し、前向きに夢を追う姿は、尊いものだと感じます。

どうか、私たちの応援がイランまで届き、大きな実を結んでくれることを願います。

イランの学生と1つだけ美術館との接点をつくってくれた大路幸宗さんより。

 

イランはこれまで訪れた国の中で最高の国でした。

私はこれまで60カ国を旅してきました。文化や歴史を嗜好する私にとってイランは最高の国でした。イラン人はイスラム教に敬虔で規律正しく、シルクロードによって発展した街は往時の面影を感じさせる素晴らしい歴史に育まれています。

罪の無い若者に何かしてあげられないか

文化や歴史の観点でイランは素晴らしい国である一方、政治は腐敗し、多くの若者は成長の機会を奪われています。旅の最中に出会ったこの2人の若手芸術家も例外ではありません。自由に主張を芸術で表現できないことや、貧困により画材道具を十分に揃えることができない事態が発生しています。産まれた場所によって人生が決まる残酷さは現実として向き合わなければならず、そのような方は枚挙にいとまありませんが、目の前にいる人から一人ずつ、自分ができることをしていきたいと思っています。

まずはイランという国を知って欲しい

9.11と共に育った私の世代は中東にどうしても危険なイメージを持ちがちです。危険があることも事実ですが、それによって美しい文化や歴史が隠れてしまうのはとても勿体無いと思います。この展示を通じて、少しでもイランを理解し、興味を持ち、また行ってみたいと思っていただける方が現れれば幸いです。

草の根レベルの交流を続けることで世界を以前より良い場所に変えていきたい

政治にはできなくても民間にはできることがたくさんあると考えています。地道な草の根レベルでの人的・物的交流を絶やすことなく、存続させていくことで、相互理解・多様性の尊重・ダイバーシティーの概念が少しでも社会に浸透していけばと考えています。世界が自分が生まれる前よりもより良い場所になりますように。

 

大路 幸宗

静岡県沼津市生まれ,株式会社文継 代表


作者より

MS.REYHANE SHATERIYAN

絵を描くことは、自分自身が何者であるかを理解し、成功できるかもしれない唯一の方法

私がアートと絵を描くことに興味を持った唯一の理由は、絵を描くことが自分自身を見つけ、自分自身に満足し、成功できると感じる唯一の方法だと思ったからかもしれません....

私生活の中で話しにくい問題や課題を絵で表現

多くの人に私の作品を知ってもらえるように努力していますが、私はまだ若いアーティストなので、もっと有名になるために一生懸命努力しなければなりません。私生活の中で話しにくい問題や課題を絵で表現するように心がけています。問題や課題をより分かりやすくお伝えするために、絵画の題材にしています。

芸術は醜さを表現する方法

芸術が美を生み出すと信じている人もいますが、私の意見では、今日の芸術は醜さを表現する方法であるべきです。

イラン人であることは幸せ

私はイラン人であることをいつも嬉しく思っています。現在、経済的および文化的に状況が良くないことは事実ですが、私たちには非常に強い歴史と非常に豊かな文化があります。イランの歴史に言及するたび、私はイラン人であるという自分の背景を幸せに思います。私は日本人の皆様に、イランは想像以上に美しく壮観であるとお伝えしたいのですが、メディアはイランをひどく破壊しようとしています。ぜひ、真のイランを理解するため、イランに旅行にいらしてください。イランの人々はこぼれる笑顔と親切な心で皆様をお迎えするでしょう。

絵を描く能力を高め、絵だけで必要な収入を得たい

私はよく旅行をして、さまざまな国の文化や歴史に触れ、たくさんの友達を作るのが好きです。私の言語や文化を話さない人々とのコミュニケーションは、私にとって非常に興味深いものです。一方で、アートの分野でもっと成長したいと心から願っています。画材を購入するために必要な費用をこれまで芸術とは関係ないアルバイトで稼いでいましたが、早くアートのみで稼げるようになりたいと思っています。

 

Ms.Tuba Mokhtari 

アートは私たちに「よく見る」という贈り物を与えてくれます

私の意見では、アートは私たちに「よく見る」という贈り物を与えてくれます。これは非常に価値のあることです。また、自由で無法なアートが大好きで、アートは私にとって安らぎでもあります。

私にとって芸術的な仕事は自己認識のようなもの

この分野で働く私の目標は、自分の人生における日々の考えや葛藤を記録することであり、私にとって芸術的な仕事は自己認識のようなものであり、より多くのことを考えさせられ、仕事をすればするほど気分が良くなります。

「考える」「よく見る」という基本的な行為の大切さを思い出してほしい

「よく見る」というのは、日々の葛藤が多いために現代人が忘れがちな行為です。そして、現代人は多くの単純だが重要なことに注意を払いません。 私は自分の作品によって「考える」、「よく見る」という行為の大切さを現代人に思い出してもらいたいと思っています。

シルクロードによって育まれたカーシャーンは芸術が豊かな街です

イランは、伝統、慣習、歴史的背景、異なる文化、自然、芸術の点で非常に多様な国であり、古くからその特別な場所を維持してきました。

私の街カーシャーンは、陶器の分野で芸術的に非常に豊かであり、シルクに関する数千年の文明があり、カーシャーンは非常に多くの分野で芸術がよく育つ街です。

幅広い視野を持ち、カーシャーンの外の世界へ旅に出ることで自分の作品のレベルを高めていきたい

私の人生における最大の関心事は、単なる職人ではなく芸術家になることです。観客が作品に共感できるほど作品に情熱を注ぐことができれば、私は成功できると信じています。

私は数年前から絵を描いていますが、今は手工芸品の分野、陶器に興味があります。

私の個人的な興味は、陶芸の技法をよく学び、絵付けを上手に行い、陶器の器にユニークなアイデアを加えることです。絵画が単なるモチーフではなく、内容と意味に関連付けられるように努めます。シルク文明の素晴らしい歴史を持つカーシャーンにいることをとても嬉しく思いますが、幅広い視野を持ち、カーシャーンの外の世界へ旅に出ることで自分の作品のレベルを高めていきたいと思っています。


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