2023年9月2日~9月30日にかけて、企画展『Babel』を開催しました。
アーティスト藏本秀彦さんによる、1つだけ美術館のスペースを活かした作品の展示です。
『Babel』によって、1つだけ美術館の空間と時間ごとアート作品となりました。映像やドローイングも合わせることで脳内で完成していきます。
ステートメント
この小さな美術館の窓からは、香川県のローカル線であるコトデンが
13分、11分、13分、11分という間隔で正確に通過する。
1本の蝋燭が蝋を落とす間隔は規則的とは言えない。
燃え尽きる時間も4分〜6分と幅がある。
それを回転させるモーターは通電するごとに
右回転をしたり左回転をしたり制御されていない。
回転数は1分で0.8〜1回転である。
この予測できる程度の曖昧な精度で回転しながら蝋を垂れている。
この空間の滞在時間は人それぞれである。
緩やかに時間は刻み続けるのだろうか。
あるいはビートを刻むように刹那に過ぎ去っていくのか。
いずれにしてもそのスピードはリアルタイムで感じることはできないということ。
そして回転しながら落ちる蝋は鍾乳洞のように立ち上がり始める。
藏本秀彦 略歴
筑波大学大学院芸術研究科修了。
学生の頃より和歌山版画ビエンナーレ、西武版画大賞展、クラコフ国際版画トリエンナーレ、ブダペスト国際展など版画領域で独自な手法が注目される。
その後「毎日現代展」に連続出品。
「安井賞展」「VOCA」「ACRYL AWARD」「FACE」「ART OLYMPIA」などのコンクールや「CROSSPOINT」(香川県立ミュージアム)、「高松市美術館コレクション+木村忠太とこぼれる光の中で」(高松市美術館)、「国讃めと屍」(瀬戸内海歴史民俗資料館)、「せとうちの大気―美術の視点」(香川県立ミュージアム)などの企画展に出品。
その他、
蝉丸(山海塾)、梅津和時(sax)、岩下徹(ダンス)、高橋芙美(渋さ知らズ)などコラボレーションも多い。
1つだけ美術館は、ご来館いただいたみなさまからのドネーション(寄付)によって運営されるパブリック美術館です。
なにとぞご協力をお願い申し上げます。
撮影:コマーシャルフォト サン・スタジオ 広告写真家 鍋坂樹伸
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